☆☆☆★★ 園子温 2012年
★ひとつ追加で「傑作認定」したい衝動に駆られるが、ここは思い
とどまろう。最近3作の園作品の「しつこさ」には違和感を感じ、毎回
減点しているのである。それを言ったら『愛のむきだし』だって『奇妙
なサーカス』だって、相当しつこかったかもしれないが、どうもなあ、
うまく説明できないけれど、やりすぎ感が先に立ってしまうのである。
『冷たい熱帯魚』では死体を解体するシーン、『恋の罪』では「堕ち
ろ!」とがなるシーン、本作でいえば、人を殴るシーンが、しつこい。
暴力描写も、多すぎるとインパクトが薄まるのは当然で、バスの中
での傷害とか、でんでんの事務所に乗り込む妄想とか、必要だった
のかなぁ。過剰さが魅力の園さんだからこそ、「出し惜しみ」も必要だ
と思う。
しかしパワーに満ちた映画であるのは間違いなく、観ていて嬉しくなっ
た。"エラン・ヴィタール"と呼びたい輝きを放っていたのが、二階堂
ふみという主演女優で、私は初めて観たが、すごいね。逸材。『害虫』
の宮﨑あおいを彷彿させる眼ヂカラ。スクリーン越しでも恐いよ。今後
も、出演作に恵まれることを願ってやまない。
1.23(月) シネマフロンティア札幌
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