『フラニーとズーイ』
J.D.サリンジャー 著 村上春樹 訳 新潮文庫
先週突然アナウンスされた新訳発表に、思わず小躍りした
(職場で)ハルキストも多いかと思います。わたくしもそのひ
とり。
一応、再読のはずなんだけど、何も内容を覚えていない。
読んでも読んでも何も思い出さない。もしかしたら読んでな
かったかも。
たしかに説教くさい部分が多くて閉口するわけだが、解説エッ
セイで春樹がそこじゃなくて文体文体、と強調してくれたおか
げで、とても楽しく読むことができた。たしかに巧いわ。会話
の合間の描写が絶品である。灰皿を向こうに押しやったとか、
バスマットをじっと見たとか、そういう動作に必ず「~みたいに」
というたとえがくっついてくるのだが、それがことごとく絶妙で、
おかしくて、感嘆するしかない。
「独立器官」
村上春樹 著 文藝春秋三月号
「女のいない男たち」4作目。
途中までは、気ままなラブ・アフェアを楽しむ独身貴族の美容
外科医の話なのだが、急に「あ、そういう話なの」という感じの
方向へ展開していく。これまでの3篇がとても良い出来だった
こともあって、比べるとちょっと劣るか?
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