2014年4月10日木曜日

春遠からじの読書


TOKIOでは桜も既に散ったらしいが、こちとら桜といえば5月
の下旬。今日も釧路は雪と風で、もう「吹雪」と形容してよい
天候だった。それでもだいぶ暖かくなった。
そんな、春遠からじの。


『平成猿蟹合戦図』
吉田修一 著     朝日文庫

文庫になったのでいそいそ買って読む。

皆さんお手に取ると分かると思うが、けっこう長い。
しっかしなんか「ヌルい」んだよなぁ、というのが読後感である。
映画のカット割りのような「目に映像が浮かぶ場面描写」には
いよいよ磨きがかかってきているのだが。なんかいまいちなん
だよねー。
最新作の『怒り』に期待ですかね。










『シチュエーションズ  「以後」をめぐって
佐々木敦 著     文藝春秋

「以後」とはもちろん"2011.3.11"の以後、ということだ。
あの「以後」、日本のポップカルチャーは、小説は、演劇は、写真
は、どのように作品を生み出し・変容させ・あるいは断念もしてきた
か。私は「絶対安全文芸時評」以来の佐々木さんのファンだが、
「批評家」で飯を食えているひとがいったい何人居るのかというこの
ご時世、指針を示してくれる貴重な批評家である。わたしは阿部和
重の小説をちっとも良いとは思わないが、佐々木さんの批評を読ん
でいると読みたくなってくる。それも批評家の「効用」だろう。

本書の画像を探していると、佐々木敦の刊行予定に『4分33秒論』
とあるのに行き当たった。1冊まるごとジョン・ケージの「前代未聞
の一冊!」とのこと。そりゃ前代未聞だろうさ。こういう試みは好き
だね。思わず買って支えたくなる。

2 件のコメント:

  1. 佐々木敦はかなり読んだが、ゴダールレッスンだけどーしてもゲット出来ないんだよな。。

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  2. 俺はつまみ食い的にしか読んでないんだけど。
    このひとの批評は危なっかしいところがなくて信頼できる感じがするね。

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