2014年4月7日月曜日

ダラス・バイヤーズクラブ


☆☆☆★★★      ジャン=マルク・ヴァレ    2014年

ちかごろ巷に氾濫している「実話をもとにした」映画のひとつだが、こ
ういうのは良いよ。おもしろかった。
「実話」はフィクションを補強もするだろうけど、かえって色々と厄介な
制限を生みそうなものだ。しかしこうも「実話」が映画の世界で流行る
というのは、やはりそれでうまくいってる作品が多いからだろうね。

ただの女好きのレイシストのヤク中の共和党支持の(あ、そんな描写
はなかったか)カウボーイだった男が、ある日突然HIVに感染すると
ころから始まる。まだ「エイズはゲイがなる病気」という偏見が強かっ
た80年代アメリカの話である。突如として生への渇望に目覚めた彼
は「生き延びるため」猛然と勉強をしはじめ、政府の遅々とした対応
や利益しか考えない製薬会社に怒りをたぎらせて、ついに自ら未承
認の薬を買い付けて販売する「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を設立す
るに至るのである。

常日頃、「女優」か「監督」でしか映画を観ないし、それで十分だとも
思っているのだが、この映画はそれとは別になぜか気になったので、
上京ついでに観たわけである。主演のマシュー・マコノヒーはこの映
画でアカデミー主演男優賞を獲った。昔からアカデミー賞は狂人か
病人の役をやれば獲れるという揶揄もあるが、この映画のマシュー・
マコノヒーは実にすばらしい。帰ってから調べると『ウルフ・オブ・ウォ
ールストリート』のディカプリオをランチに連れて行って奇妙なアドバイ
スをするあの上司役だった。言われてみれば。あれも強烈だったな。

                                                  3.28(金) ヒューマントラストシネマ渋谷


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