2015年1月14日水曜日

細雪


☆☆☆★★        市川崑       1983年

冒頭の畳みかけるようなドアップの連続からして、もう既に
市川監督の世界に引きずり込まれる感じがする。映像美の
追求もこの映画の見所のひとつで、ときどき照明がヘンな色
だったりしたが、咲き誇る桜の下を優雅に歩く華やかな四姉
妹のなんと美しいことか。

長女・鶴子 岸恵子
次女・幸子 佐久間良子
三女・雪子 吉永小百合
末娘・妙子 古手川祐子

豪華な四姉妹の共演である。加えて鶴子の旦那が伊丹十三、
幸子の旦那が石坂浩二。この石坂浩二がなんだか信用でき
ないやつで、どうも雪子のことが好きらしい。ちょいちょい怪し
い行動をする。リリー・フランキー風に言えば「すかんたらしい
奴」である。
基本的に、雪子の見合いを中心として話は進む。結婚する気
があるのか無いのか、なかなか不思議ちゃんな三女であって、
おっとりしているようであり、でも芯はありそうな、なのに石坂
浩二にちょっかい出されても平然としていて、摑みどころがな
いのである。そこがおもしろいのだが、吉永小百合がけっこう
はまっている。

また方言好きの私としては、あれは関西の上流階級の呼び方
なのだろうか、末娘のことを「こいさん」、三女のことを「きあん
ちゃん」、次女のことを「なかあんちゃん」とみなが呼ぶのが気
にかかる。

まあいずれ原作を読まねばならんでしょうね……。

                                                             1.13(火) BS-TBS


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