2015年1月18日日曜日

年末の読書②


こちらも12月に読んでいたもの。

『虞美人草』
夏目漱石 著    新潮文庫

漱石ってけっこう題名はどうでもいいって感じですよね。
この小説も、どこが「虞美人草」なんだか。たしか1回だけ
出て来たはずだけど、たいして重要なモチーフでもなかっ
たような。

豊富な漢文の語彙を若干「ひけらかし」のように駆使した、
漱石の華麗を極めた文体が、読んでて楽しい……とは、
とてもじゃないが言えない! この際言うけど、非常にうっと
うしい。地の文があまりに流麗すぎて、早く会話にならない
かな、と次のページをチラ見してみて、まだ地の文が続い
ているとゲンナリする。漱石先生には大変申し訳ないのだ
が、『草枕』とかこのへんの華麗な、あまりに華麗な漢文的
表現は、その漢字を見てももはやニュアンスも何も分からな
くなってしまった秩序のない現代に生きるわたしのような者
には、辛いものがある。文化的断絶、なのだろうねこれも。
しかし明治の読者にはどのように読まれたのか。それも気
になるところではある。

とはいえ、地の文は我慢して読むとして、会話をつなげて
いけば、小説はそれなりに楽しめる。
今回も柄谷行人の解説が充実しているように私には思える。









『寄生獣
岩明均 作       講談社文庫

マンガです。
映画を観る前に読んでおこうと思って、一気読みしようとしたら、
この新装文庫版が途中までしか出ておらずビックリ。仕方ない
ので、出ていないぶんは兄所蔵のものを借りて読了。じゃあ最
初から全部借りればよかったんじゃないかという気もする。

これは確かにおもしろい。加藤典洋が激賞するだけのことはあ
る。映画はまだ観ていません。なんだか観る気が失せてしまい
ました。








<ツイート>
村上朝日堂(という名前ではないけど)、始まりましたね。
とりあえず1通出してみましたが、不発かな。
絶対返事もらったるんや。

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