2016年3月14日月曜日

インヒアレント・ヴァイス


☆☆☆★★    ポール・トーマス・アンダーソン    2015年

現代アメリカ文学の伝説的作家トマス・ピンチョンの大著が原作で
ホアキン・フェニックスが主役ということで、「それはぜひ観たい」と
思うひとも少なかろうし、公開時は批評もあまり奮わず、「ようやる
わ」みたいなリアクションで、絶賛するひともけなすひともあまり見
なかった気がする。ご苦労さん、と静かにスルーされた感じ。

話はハードボイルドというか私立探偵もの。フィリップ・マーロウみ
たいな感じだが、こちらのマーロウはダンディというよりはヒッピー
で、長髪・無精髭にアロハ、そしてハッパも自分で巻いてたしなん
でいる。ヒッピーだからね。
ある日、そのしがない探偵事務所に、元カノがミステリアスな感じ
で突然現れ、自分を愛人として囲っている大富豪が殺されそうだ
から守って欲しいと依頼する。やめときゃいいのに捜査を始める
と当然、どんどん妙なことになっていくわけだが、映画にしては登
場人物が多く、しかも1回しか出て来ない人物ばかりなので、集中
していないとすぐに置いて行かれること必至である。というか集中
していてもワケがわからん。
138分の『ザ・マスター』のあとに、148分の本作を(集中して)鑑賞
するのはなかなかタフなミッションだった。でも、おれ、やり遂げた
よ。

とりあえずすべての原因である元カノの"シャスタ"を演じたキャサ
リン・ウォーターストンがめっちゃ可愛いことだけはわかった。あの
アンニュイさ、たまらん…。
今後ハリー・ポッターのスピンオフ映画に出たりするらしいから、ネ
クストブレイク女優かもね! というかPTAの映画に出てる時点で
ブレイクしてるのか。

                                                                 3.6(日) キネカ大森


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