2016年3月25日金曜日

やっと読書②


『怒り』
吉田修一 著  中公文庫

おもしろかったんで2日で読んでしまった。

世田谷の一家殺害事件と、市橋達也の事件をモチーフ
にしたと思しき架空の一家殺害事件から始まる小説で
ある。犯人は一家全員を帰宅順に殺害したあと、床に
被害者の血で"怒"の文字を書き残していた…。

「信じる」という言葉が何度も何度も出て来る。
それに比べると、冒頭の血文字以降、「怒り」はほとん
ど出て来ないのである。ひとがひとを信じるとはどうい
うことか? おもに3つのエピソードから成り立つこの小
説を貫いている問いかけである。

『パレード』のサトルを思わせるキャラが登場するのが
なんとなく嬉しかった。私はあのキャラが好きで、他の
登場人物のことはすっかり忘れてしまったが、サトルだ
けはずっと心に残っている。

例によって李相日が超豪華キャストで映画化し、この
秋公開予定。泉=広瀬すず、これはまあいいか。とい
うことは、男にだらしない泉のお母さんは、池脇千鶴?
まさか、原日出子じゃないよねぇ。
そしてなんと愛子=宮﨑あおい。えーと、えーと、この
役はですね、頭の弱いぽっちゃり娘で、家出して歌舞
伎町のソープでボロボロになるまで働いてた、という
設定なんですが、い、いいの? ついに新境地を開こ
うという気になったかな。まあ楽しみにしときましょう。






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