2018年6月14日木曜日

エンドレス・ポエトリー


☆☆☆★★  アレハンドロ・ホドロフスキー   2017年

前作のエンディングから出発したフィルムでは、そこで中心に
据えられていた父親との葛藤は脇においやられ、今作において
若きホドロフスキー青年は"詩"に夢中なのであった。そう、あ
の言葉の詩である。繰り返し問いかけられるのは、詩はいかに
して可能か、というようなわりと形而上学的な命題であり、そ
れだけ聞くとゴダールやヴィスコンティのよう。けれど夢と現
実のあわいのような物語を通すと、それでも俺は詩が好きなん
だ! 詩は不滅だ! という詩人でもあるホドロフスキーの叫び
にもしっかりと聞こえるのである。
前作よりも観やすく、時間の経つのも早かった。この爺さん、
まだ進化しているのか…。

若きホドロフスキーを翻弄するステラという怪物みたいな女が
出て来るのだが、なんといつもオペラ調でセリフを歌いあげる
母親役のパメラ・フローレスの一人二役だったとのちに知り、
驚愕。画像の赤毛がステラ。

                                                         6.2(土) 早稲田松竹


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