2018年6月4日月曜日
読書②
まだ②だなんて、ひどいな。
買った本ばかりが堆く積まれていく…。
『映画を撮りながら考えたこと』
是枝裕和 著 ミシマ社
半分ぐらいの所で止まっていたのが、めでたい受賞の
ニュースを見て、おお、そうであったそうであったと
また読み始め、今度は読了。
初期のテレビドキュメンタリーから、この時点での最
新作『海よりもまだ深く』まで、1作づつ制作の経緯
や過程、思いをつづった、率直なエッセイになってい
る。これだけ作家性を出しても観客が動員できて、な
おかつ映画祭で話題にもなるひとの存在はやはり貴重
というべきだろう。作品は好きなのもそうでないのも
あるが。個人的には一番好きかもしれない「ゴーイン
グ・マイ・ホーム」は本人も納得のいく出来だったら
しく、よかった。視聴率は、まあ…。派手さはこれっ
ぽっちもないドラマだったからね。
しかし生き方全般が、やはり園子温とは全然違って、
まともである。当たり前か。
『ウィステリアと3人の女たち』
川上未映子 著 新潮社
久しぶりの小説で、自然と手がのびたのはまたしても川上
未映子。うーん。無意識にひいきしている。美人だからか。
でも良い短篇集だった。
表題作も妄想世界の広がり方が未映子さんらしくて良いが、
「彼女と彼女の記憶について」「シャンデリア」のほうが
気に入った。会話よりも地の文で勝負するようになってき
ているのは、村上春樹と同じ道筋をたどっている気がする。
心なしか、文章も似てきているような…。
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