2018年6月19日火曜日

読書③「三つの短い話」

村上春樹 著   文學界7月号

突然発表された3つの短篇。
「石のまくらに」は今までにない趣向で、短歌を詠む
女のひとが登場し、詠まれた短歌も作中に出て来る。
これがなかなかおもしろい短歌で、これらを春樹がひ
ねっている様を想像するだけで微笑ましい。まあしか
し似たような作品が今後書かれることはなかろうから、
新機軸というよりは、突然変異のようなものだろう。

一方で「クリーム」と「チャーリー・パーカー・プレ
イズ・ボサノヴァ」はそれに比べると今までの感じの
延長というか、短篇集でいえば『東京奇譚集』あたり
に近いテイストか。

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