『女の一生』
モーパッサン 著 永田千奈 訳 光文社古典新訳文庫
ジャンヌが修道院(神学校?)を卒業して家に帰る場面
から始まる、ジャンヌの一代記である。
なかなか波乱に満ちた人生であり、かつまた非常に感情
の起伏の激しい女性である。ジャンヌの心情の変化が細
かく語られるのだが、どうも首を傾げざるを得ないよう
な描写もあり、ついて行きかねた部分も多かった。
若き日の大江健三郎がモーパッサンを熱心に読んでいた
という記述から、ふと本棚に眠っていた本書に手が伸び
たわけである…。
『モロッコの恐竜』
ある青年海外協力隊員が夢を掘りあてるまで
石垣忍 著 築地書館
モロッコに行くにあたり、読んでみた。
80年代はじめに、青年海外協力隊としてモロッコに赴任し、
フィールドワークと博物館の展示づくりに奮闘した3年間の
記録である。ほんとうに「苦闘」の連続の中、にも関わらず
日々、なぜ自分はここに来たのが、ここで何ができるのか、
青年海外協力隊という仕組みが本当に途上国のためになるの
か、いつも思索を深めていて、しかも思索の跡がとても明晰
なのである。そしてなんだか楽しそうなのである。まあ人柄
なのだろう。文章もうまい。とてもおもしろかった。
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