2021年4月17日土曜日

本気のしるし <劇場版>

 
☆☆☆★★★   深田晃司  2020年

森崎ウィン、土村芳の主演。
メ~テレが制作した連続ドラマを232分の劇
場版に再編集したもの。途中休憩もあり、も
ちろん長いのだが、体感時間は3時間ぐらい。
たいへんおもしろかった。
およそテレビドラマらしからぬカメラワーク
で、カットは少なく、長回しも多い。ズーム
も多用されている。らしい。あまり気付かな
かったが、トークショーで指摘されていた。

音は良くも悪くもテレビドラマ的で、セリフ
はよく聞こえるが抑揚に乏しいというか、情
緒はあまりない。音楽の少なさは恐ろしいほ
どで、水槽のボコボコ音と、波音、セミの声
などのSE、そして何より踏切の警告音が印象
を残す。

短いトークショーがあって、文芸坐のやたら
熱いひとと、深田監督が登壇。備忘録として
簡単に記しておく。
・原作マンガは十代のときに読んで好きだっ
た。いつか映像化したいと周囲には言いふら
していた。
・結局男が好きなのは、頼りなくて「俺が守っ
てやらなきゃ」と思わせる女性だと言われる
が、実際にそういう男の願望を具現化した女
性がいたらこんなに周りを傷付けるし本人も
傷つく、そういうものを描きたかった。
・ズームの多用はアルトマンの『ロング・グッ
ドバイ』をやりたかった。森崎ウィンが飼っ
ているザリガニが「マーロウ」なのはオマー
ジュ。
・23分10話のドラマをそのままつなげても、
映画になっていなかった。再編集は予想以上
に苦労した。

                                   4.1(木) 新文芸坐




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