2014年6月12日木曜日
時をかける少女
☆☆☆★ 大林宣彦 1983年
言わずと知れた「タイムスリップもの」の元祖というか人気作で、
私がこれまで観たものだけでも、仲里依紗版や細田守のアニメ
版がある。
原田知世という美少女の輝かしい一瞬をフィルムに封じ込めた、
非常に「正しい青春映画」だと思う。エンドロールのPV風映像が
おもしろい。
5.28(水) BSプレミアム
2014年6月9日月曜日
それでも夜は明ける
☆☆☆★ スティーヴ・マックィーン 2014年
アカデミー作品賞である。前評判によると、ひたすら奴隷の
苦しみが続いて(なんせ12年)あまりに救いが無い、という
話だったのでせっかく釧路でやってるけど観るつもりは全然
なかった。そういう映画も大事だと思うが、やはり『ジャンゴ
繋がれざるもの』のように、「最後は奴隷をいじめた白人を
皆殺し」みたいな映画が好きである。
さて、後輩が観るというので付いて行った。そしてほんとに
前評判どおりの映画であった。アメリカ南部の黒人奴隷た
ちの「事実に基づいた話」ということらしいが、奴隷たちの
「悲哀」なんて生易しいものではなく、彼らの苦痛や、呻き、
絶望、無気力が、息苦しいほどにビシビシと伝わってくる。
これを観たあとに『リンカーン』を観れば、奴隷解放の憲法
修正が成ったときの喜びひとしおであろう。
5.26(月) イオンシネマ釧路
2014年6月8日日曜日
野のなななのか
☆☆☆★ 大林宣彦 2014年
北海道は芦別を舞台とした、大林宣彦御大の意欲作。「意欲
作」と書いたのは別にヨイショとかではなく字義通りであって、
芦別の友人に乞われて実現した映画というエピソードから、
観光ビデオに毛が生えたようなものを想像していたら本当に
ぶっ飛ばされる。
3時間あるのだが、中原中也『山羊の歌』を随所にちりばめな
がら、過去と現在が混じり合うまではいいとして、死者は喋る
わ常盤貴子が自動ドアのそばを通っても開かないわ楽隊は所
かまわず練り歩くわ北海道における敗戦やら芦別の負の歴史
にばっちり焦点は合わせるわで、もうやりたい放題手がつけら
れない。とがってるなー、大林宣彦。長岡の花火の映画撮った
からって油断してた。
5.25(日) イオンシネマ釧路
2014年6月7日土曜日
オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
☆☆☆ ジム・ジャームッシュ 2013年
昨今は、ヴァンパイアもただ無作為に無辜の市民を襲って血を
吸って道端に捨てておけばいい時代ではないらしく、先方もいろ
いろとご苦労が絶えないようだ。血は病院に忍び込んで医師か
ら金で買わなくてはならないし、それには当然リスクがともなう。
厄介な親族にも振り回される。昼はもちろん出歩けないし、飛行
機に乗る時はわざわざ「出発地も到着地も夜」になるように乗継
ぎなど工夫しなくてはならない。面倒なことばかりだ。
着想はおもしろいとは思うが、どうもみみっちいというか、せせこ
ましい感じが否めない。
ラストはなかなかいいが。
2014年6月5日木曜日
オンリー・ゴッド
☆☆★★ ニコラス・ウィンディング・レフン 2013年
『ドライヴ』が秀作だったので期待していたが…。
うーん、いったい何なんだ。過剰なバイオレンス描写も、殺し屋
じゃん!とつっこみたくなる正義の(?)警官もなかなか良いが、
それがどこにも結び付いていかないのにはやっぱりイライラする。
それにしてもあんなに堂々と微塵の迷いもなく犯罪者を殺してい
く警官というのも珍しい。アレ、逮捕とか裁判って、しなくてもいい
んだったっけ? という感じ。
5.14(水) 早稲田松竹
2014年6月4日水曜日
ブルージャスミン
☆☆☆★★ ウディ・アレン 2014年
ひさびさのシリアス路線。『夢と犯罪』以来ということになるか。
ところどころ笑えるのだが、基本的にはプライドの高い女(ケ
イト・ブランシェット様!)がセレブ生活から破滅してゆく物語
である。
週刊文春のコラムで小林信彦先生は、「ウディ・アレンは実は
喜劇がうまくない」という衝撃のご宣託をなさっていたが、そ、
それは言い過ぎじゃ…とは思うものの、本作の「笑い」以外の
部分が非常に冴えわたっているのは感じる。サンフランシスコ
を舞台にした名作映画は多いけれど、またひとつ仲間入りとい
うことでいいと思う。
この映画は『欲望という名の電車』を下敷きにしてるらしい。
恥ずかしいから小声で言うが、実は戯曲も映画も未見である。
5.13(火) Bunkamura ル・シネマ
2014年6月2日月曜日
コクリコ坂から
☆☆☆★★★ 宮崎吾朗 2011年
私はこの映画、好きで好きでしょうがないのだが、世間的にはどう
なんでしょう。どうも、あまり名作という認識はされていなさそうだ。
カルチェラタンが壊されようが残ろうがどうでもいい? そもそも話
が暗い? 寮を切り盛りしてご飯を作って、お母さんはアメリカに
研究で行ってて居なくて、勉強はちゃんとして、しっかり恋もして、
毎朝お父さんを想って旗を上げてって、そんな女子高生いるわけ
ない? 近親相姦的なモチーフに違和感がある? 最後いちおう
解決はするけどスッキリしない? 長澤まさみの顔が浮かんじゃっ
て集中できない?
うーん。そうかなぁ。別に反論する気はありませんが、そんなこと
全部どーだっていいくらい、美しい青春映画だと私は思っています。
5.11(日) Blu-ray Disc
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