2011年6月6日月曜日

こんな日本でよかったね

内田樹 著   文春文庫

なんとなく避けてきた内田樹をはじめて読む。
あくまで「なんとなく」であって、「読まない」と固く心に決めていた
わけではいない。なにしろすごい人気、すごい著作数である。
その数多の本の題から察するに、硬い話題からタイムリーでとっ
つきやすい時事問題まで、これ以上ないぐらい手広くやってらっ
しゃる。でも人気があるってことは、きっと一読、とても分かり易
いんだろう。いろんな社会問題について、ずばっと分析して、た
とえ話なんかも巧くて、分析するばかりでなく「じゃあどうすりゃい
いのよ」という疑問にも答えてくれて、そこに至る著者の思考の
跡がくっきりたどれるようになっていて、なんだか自分で考えた
ことのような錯覚すらおぼえてしまうのだろう。それで時たま専門
のフランス現代思想から滋味のある言葉なんか紹介してくれて、
ちょっと勉強になっちゃったりするんだろう。
だいたい読む前はこういうイメージだったのだけど、果たして読ん
でみると、けっこう当たってるような。そして、しっかり面白かった
のであった。いやー、こりゃ巧い。巧いぞう。
「不快という貨幣」の話、あれはずしりと来た。そうかも、と思った。
心の中で反論をさがしたが、うまく見つからない。

3 件のコメント:

  1. 青空のように、よかったわー
    トライアングルの白い港もよかったけども

    alva noto + sakamoto ryuichi の新譜でるぞ

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  2. これっ、ハードカバーで買ったけど読み終わってない!
    内田樹さんの本でわたしが学んだことは、挨拶とかほほ笑みとかそういう処世術は身を守るぞえ、ということです☆
    『寝ながら学べる構造主義』とか『私家版ユダヤ文化論』はおもしろったよ~。個人的には、内田樹さんと副島隆彦さんに対談してもらいたいです。

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  3. >kouさん

    「青空のように」良い曲だろうとも!
    天気が良い日、気が付くと口ずさんでるから。

    細野晴臣のETV特集、震災前から楽しみにしてたんで、
    なんかあの「震災で方向性変わりました」感がありすぎて、
    うーむこれは、という感じでした。個人的には。

    これよりBSの筒美京平の番組のほうが面白かったわ。
    松本隆と対談してて、
    「筒美さんには弱点があってね、はっぴいえんどとか全然わかんないでしょ?」
    「うん、わかんない」
    とか言ってて最高だった。

    >marikoさん

    やあやあ、久しぶりです。
    旅行、行ってたんですわー。
    フェルメール、見たよ! マウリッツハイスとアムステルダム国立美術館にあるやつは見ました。ファン・ゴッホ美術館とか、エッシャーとか、マグリットとか、とにかく昼から酔っ払いながら美術館をまわってたような旅行でしたので、記憶に濃淡があるんですが。美術館では酔ってないふりをしてました。
    ブリュッセルはここに泊まったのですよ。6泊…。これリビングで、ほかにキッチンと寝室2つとバス2つとトイレという、アパルトマンというんでしょうか、寡聞にして呼び名を知りませんが、これがたいして高くないのですよ。快適すぎて、朝部屋を出るのがどんどん遅くなるという。執筆活動だって進みますよそりゃあ。朝食から軽くビールをたしなんでたので、ちょっと何も書けなかったけどね。

    内田樹、たしかに面白いっすわ。ブログに載ってた映画『ノルウェイの森』の感想がものすごい的確だったので、観念して読むことに(笑)。

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