『1973年のピンボール』
村上春樹 著 講談社文庫
ひっさしぶりに、なぜだか読みたくなって再々読。
けっこうおもしろいっすよ、これ。
双子と散歩するゴルフ場、配電盤の葬式、ジェイズ・バー、
ピンボール台が整然と並んだ寒い倉庫。喚起される様々
なイメージが、なんだかこことは別の世界のようだが、どこ
となく懐かしい。ひさびさに故郷に帰って来たような感じで
読んだ。
4月に長篇刊行だってね。良い小説、期待してますよ。
『お言葉ですが… 別巻⑤』
高島俊男 著 連合出版
「森鷗外のドイツの恋人」が良い。高島さんはこういう、色々な
説が乱立している話をまとめさせると、非常に手際がよくおもし
ろいのは、ファンの間では定説。信憑性も重要度もマチマチな
諸説をわかりやすく銓衡して「まあこれが妥当でしょう」というと
ころを示してくれる。
その際、信憑性の無い話を、いかに大家が唱える説であろうと
容赦なく切り捨てるのが痛快、というのもファンの間では常識。
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