☆☆☆★ クシシュトフ・キェシロフスキ 1993年
bunkamuraでキェシロフスキ監督の回顧上映。
"トリコロール"3部作の存在は知っていたが、監督のことは
何も存じあげなかった。3部作を撮りあげて間もなく、亡くなっ
ているらしい。
交通事故で作曲家の夫と幼い娘をいっぺんに亡くしたジュリ
エット・ビノシュ。極端な眼のクローズアップは『潜水服は蝶
の夢を見る』を思い起こさせる。身体の傷が癒え、喪失した
ものを抱えながらも、静かに暮らし始めた彼女だが、夫の遺
した未完の交響曲(?)の断片にしばしば苦しめられる。そ
れは、ときどき急にストリングスのフレーズが高らかに響き
渡って、画面がブラックになるという、「い、いまの何?」とい
う感じの演出で表現されるのだが、えーと、それほど効果的
とも思えない。
でも映画全体を流れる、喪失感と諦念はとても好きだった。
画像は深夜に電話でたたき起こされて不機嫌なジュリエット
様。深夜といっても23時。
7.16(土) bunkamuraル・シネマ
0 件のコメント:
コメントを投稿