2019年2月26日火曜日

読書②


『ペット・サウンズ』
ジム・フジーリ 著 村上春樹 訳 新潮文庫

「ペット・サウンズ」というたった1枚のロック・
アルバムについて、あらゆることを語り尽くした
本である。
このアルバムを「幸福についての哀しい歌の集ま
り」と評した言葉が紹介されるが、たしかにこれ
以上の評言もないように思う。「ペット・サウン
ズ」を聴いたときのあの何とも言えない高揚感と
哀しみの入り混じる「波立ち」を言い表して妙で
ある。それはブライアン・ウィルソンの「哀しみ」
と不可分であることがよくわかる。










『夫のちんぽが入らない』
こだま 著   講談社文庫

みなさんも本屋で目にしていったいどんな
不謹慎なおふざけ本なのかと思われたかも
しれないが、とても真剣に書かれた本であ
ることは読めばすぐにわかる。ちりばめら
れたユーモアはかなりセンスがよく、比喩
も巧みで、何度も声をあげて笑った。
まあタイトルに偽りはないわけだが、問題
は次第に性生活のことから、小学校の教師
となった筆者の職場へと移ってゆく。

この異形のタイトルを持つ本を性格づける
ために、帯の推薦文を松尾スズキに書いて
もらったのは正解だろう。絶妙な人選だと
思う。関係ないけど、テレ東の「フルーツ
宅配便」おもしろいね。



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