お米とおっぱい。
☆☆☆★ 上田慎一郎 2011年
『カメ止め』監督の自主制作による長篇1本目。
テレビで深夜にやっていたのを捕獲。
あるテーマについて、その場にいる全員の意見
が一致するまで議論を尽くし合う密室劇である。
当然ながら『12人の怒れる男たち』や、それを
三谷幸喜が翻案した『12人の優しい日本人』と
比べられるのは覚悟の上だろう。真っ向勝負と
いうところか。
今作が巧妙なのは、その肝心となる議題を、
「お米とおっぱい、どちらかがこの世からなく
なるとしたら、どちらを選ぶか」
という心底ばかばかしいものにしたことである。
全員が一致した結論を出せれば10万円の報酬が
あるという、いわゆる「うまい話」である。そ
れに釣られて集まってきた人たちのほとんどが、
「おっぱい」でさっさと意見を一致させて10万
手にして帰ろうとするが…、という話で、もち
ろん議論しているだけでは退屈してしまうので、
いろいろと工夫が凝らされている。まあ『カメ
止め』とは似ても似つかない映画であることは
たしかである。
8.6(火) 日テレ
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