☆☆☆★★ アレックス・トンプソン 2022年
ギンレイホールもひとまず閉館してしまうと
いうことで、まあさほど足しげく通ったわけ
でもないが、いちおう最後の記念に。『ベイ
ビー・ブローカー』のほうが目当てだったの
でこちらにはたいして期待していなかったが、
予想以上の秀作であった。
迷える34歳の独身女性ブリジットを演じたケ
リー・オサリヴァンが、脚本も書いていると
いうから驚いた。焦燥感のようなものと、芯
の強さみたいなものがにじみ出てくるいい演
技だった。脚本も子どものセリフなど特に巧
みだと思う。
同年代が結婚・出産を経験していくなか焦り
を感じているブリジットが、フランシスとい
う6歳の少女とナニー(子守り)の仕事を通
じて、心を通わせあうという話。このフラン
シスがはちゃめちゃで愛らしいし、コメディ
としてしっかりおもしろい。そのうえ、2人
目が生まれてパートナーは仕事に忙しく、産
後うつになりかかっているフランシスの母親
の疲れ切った演技も真に迫っていて思わず胸
がつまる。
11.13(日) ギンレイホール
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