2016年4月10日日曜日

リップヴァンウィンクルの花嫁


☆☆☆★★★     岩井俊二    2016年

冒頭、郵便ポストの横で心もとなく周囲の雑踏を見回す
黒木華。LINEのやりとりのような画面がインサートされて、
男と待ち合わせをしていることがわかる。初めて会うふ
たりは、なかなかお互いを見付けられない。遠慮がちに
手を挙げて目印になるように頑張る華ちゃん。ピアノの
優しい旋律と雑踏のSEが溶け合う……。

もう冒頭からやられっぱなしですよ。
どこをどう切っても岩井俊二でしかない至福の3時間。
やりたい放題やってたなぁ、岩井俊二。
…と書いたあとに文春のコラムで松江さんが「至福の三
時間」と書いているのに気付く。パクってません!

前号の「キネマ旬報」が特集していて、黒木華のインタ
ビューや岩井俊二と中森明夫の対談もなかなかおもし
ろいのだが、Coccoのインタビューがいちばん興味深い。
真白と七海がベッドで話すシーンがワンカメのテスト本
番で撮られたというから驚きである。

綾野剛は誰にどのタイミングでどういう依頼を受けたの
か、最後まで観てもそこらへんについて、充分な説明が
あったとは思えないが、まあいいとしよう。いつもなら、
そういう細部が曖昧で詰めが甘い映画は醒める、と言
いそうな所だが、今回はいいです。気にならない。

                                            3.28(月) ユーロスペース


2 件のコメント:

  1. 終わってしまうのがもったい無い3時間でしたなぁ。
    今度は早めに次作を期待すね

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  2. ほんにほんに。
    「なぞの転校生」にだいぶ手ごたえがあったのが
    久しぶりの実写映画につながったみたいですな。
    まあ連ドラでもなんでもいいからどんどんやって欲しいね。

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