2020年4月4日土曜日

読書⑤


『人間』
又吉直樹 著   毎日新聞出版

初の新聞連載とのことで、新聞連載って新聞
とってないからリアルタイムで読むことない
けど、漱石みたいでいいよね。それとやはり
定期的にやって来る区切りがだんだん癖にな
るというか、独特のリズムが生まれると思う。
島田雅彦の『忘れられた帝国』とか、吉田修
一の『悪人』とかも新聞連載だったですね。

本人を思わせる主人公に、実在の人物を思わ
せる登場人物や、実在と思われるバーとかも
出て来て、けっこう際どいところを行ってる
ような気もしたけど、やはり人物の造型がお
もしろくて、一気に読まされた。
長篇が書けたらもう何も怖くないだろう。ど
んどん書いていってほしい。









『むらさきのスカートの女』
今村夏子 著   朝日新聞出版

芥川賞受賞作。
「こちらあみ子」から既にある程度の知名度が
あったこともあり、近年ではわりと受賞が話題
になったほうではないか。

語り手の職場にやって来た「むらさきのスカー
トの女」。初めはさも変人のように描写されて
いるが、読み進めるとだんだん雲行きが怪しい
というか、描写自体を疑いだすというか、語り
手の方に違和感を覚えることが多くなり、やが
て…。

途中まではわりと牽引力があるというか、読ま
せるな、と思いながら読んでいたが、その後の
展開にはさほど感心せず。




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