☆☆☆★★ 小田香 2015年
炭鉱の地下は暗い。当たり前だが、ライト
の照らす所しかカメラには映らず、他は闇
である。地下が暗いのは想像ができるが、
そうか、と意外な気がしてしまうのは、音
の方である。炭鉱の地下には掘削機械の轟
音が響いている。耳をつんざくような、決
して愉快とはいえない機械音である。
ボスニア。ブレザ炭鉱、地下300メートル。
これらの情報は後から調べて分かることで、
ナレーションもテロップも無いため、映画
を観ている間はどこの何という炭鉱なのか
も分からない。
屈強な炭鉱夫たちが地下に吸い込まれてい
く。何語か分からない冗談を飛ばし合いな
がら煤まみれになって働く。
炭鉱夫たちの所有物がワイヤーに吊るされ
て林立している光景が印象的である。省ス
ペースと防犯のためだろうか。よくできた
システムである。
1.27(水) ユーロスペース
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