2021年2月10日水曜日

読書②

 
『チャイナ・メン』
M. H. キングストン 著 藤本和子 訳 新潮文庫

中国から、はるか海を渡ってきた祖父や父の
物語を、中国系アメリカ人の著者が、「女た
ち」の語りとしてつづる。こうまとめるルポ
ルタージュのようだが、読んでみると非常に
摑みどころがないというか、鉱山でサトウキ
ビ畑で、苛酷な労働に従事した祖先たちの話
が、あっちへ飛びこっちへ飛び、時間軸も空
間軸も歪んでいくような感じがする。
「事実から幻想の方、神話の方へと地続きで
流れていく感じが、ぼくはすごく好きなんで
す」と柴田元幸は巻末対談で語っている。










『若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱
内田樹 石川康宏 著  角川ソフィア文庫

また「100分 de 名著」の話題で恐縮だが、
こないだの『資本論』の回はおもしろかっ
た。いつか読んでみたい本ではあるけども、
とてもじゃないが自力で読み通す自信はな
く、公共の電波で気鋭のマルクス研究者に
解説してもらえるというのはありがたい。

放送を毎週楽しみながら、それと並行して、
本棚で惰眠をむさぼっていた本書を引っぱ
り出して読む。「『疎外』された労働者に
ついて書くとき、マルクスはつい熱くなっ
ちゃう」。なるほど。おもしろい。
それにつけてもマルクス、そしてエンゲル
スの早熟さよ…。




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