2022年2月15日火曜日

天井桟敷の人々

 
☆☆☆    マルセル・カルネ   1945年

映画史上の傑作ということでよく名前を聞く。
このたび4K修復版をBSで放送してくれたので、
3時間10分という長尺に幾分おののきながら観
てみる。

フランス文学の古典を読むと、「うーん、やっ
ぱり苦手」と思って読み終えることが多いのだ
が、今回もその感じを思い出した。現代と当時
の価値観の相違なのか、日本人とフランス人の
恋愛観の違いなのか…。主人公が恋愛とか名誉
とかについて煩悶すればするほど、読者(私)
の気持ちは離れていく…。たいてい人妻に恋し
て、思い悩んだり発狂しそうになったりして、
誰かに侮辱されたと感じたらすぐ決闘を申し込
んで…。読んでもおもしろいと思えない。イギ
リスの小説だとなぜかそういうことは少ないの
だが。ジェーン・オースティンの小説なんて、
「どうでもいいこと」の極致みたいな内容だと
思うけど、つい夢中で読んでしまう。

話が逸れてしまったが、本作をどうにか観終わっ
た後、フローベールの『感情教育』の読後感と
似たものを感じたのであった。話の内容もどこ
となく似ているような気がする。
まあ一度観ればいいか、という感じですかね。

                                 2.5(土) BSプレミアム




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