2022年2月18日金曜日

ストレンジャー・ザン・パラダイス

 
☆☆☆★★ ジム・ジャームッシュ 1984年

早稲田松竹にて、ジャームッシュの初期作2本
立て。

ギャンブルとイカサマポーカーであぶく銭を
稼いでは遊んでいる主人公ウィリーと友人の
エディ。そこへウィリーの従妹のエヴァがハ
ンガリーからクリーヴランドの叔母の家に移
り住むので、途中ニューヨークのウィリーの
部屋に1泊する…だけのはずが、叔母の入院
により10日間も滞在することになる。退屈な
10日間を過ごすエヴァ。映画の中で「暇を持
て余す」描写はいくらも観てきたが、おもし
ろく撮るのはけっこう難しい。その極北が
『ソナチネ』であると確信している。

映画は全篇モノクロで、ワンシーンは必ずワ
ンカット。カットの間は黒味でつなぐだけの
愛想のないつくりで、音楽もSEも最小限。
おまけに何か劇的なことが起こるわけでもな
い。なのにこのおもしろさ。
映像制作を志す者なら誰でも一度はこういう
映画を作りたいと思うのではないだろうか。

この映画は、本腰入れて映画を観始めた大学
2年の頃に一度観たのは確かなのだが、例に
よってほとんどすべて忘れていた。見覚えが
あったのは3人で海辺を歩くカットと、従妹
が出てきて、愛想ないけど可愛かったことぐ
らい。昔観た映画を見返すたびに思うが、そ
して必ず同じことをここに書いている気もす
るのだが、こんなに忘れていって果たして観
る意味があるのだろうかと思わなくもない。

                                  2.6(日) 早稲田松竹




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