2022年2月6日日曜日

クライ・マッチョ

 
☆☆☆★★  クリント・イーストウッド 2022年

劇中、メキシコ警察にドラッグの密輸を疑わ
れたイーストウッドが「俺は運び屋じゃねえ」
と言うシーンには笑ったが、いくらなんでも
主演は『運び屋』が最後だろうという予想を
裏切り、今作で見事に監督・主演を務めてお
られたイーストウッド翁。車を運転し、美女
には誘惑され(結果的には脅迫だったが)、
警察に悪態をつき、のみならず馬にも乗るに
至ってはさすがに「おじいちゃん大丈夫?」
と心配になったものの、やはりそんじょそこ
らの90歳ではないというか、世界最強の90
歳なのである。しかしすごい。

序盤は凡作『パーフェクト・ワールド』をさ
らにスローにしたようなモタついた展開に、
「なんか全然ノレないかも…」と不安に襲わ
れたが、だんだんそのテンポに慣れてくると、
むしろこの映画にはこの緩さが必要だと思え
てくる。

追手が迫るなかでの、期限つきの疑似的な父
子関係。そして小さな村での親子との交流。
別れの場面は切ないものがあった。

                          1.24(月) 新宿ピカデリー




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