2022年5月19日木曜日

リバティ・バランスを射った男

 
☆☆☆★  ジョン・フォード  1962年

ジェームズ・スチュワートとジョン・ウェ
インの共演。
若き法律家がならず者の跋扈によって無法
地帯となっている町を変えようと、非暴力
で奮闘するという一風変わった西部劇であ
る。銃撃の場面や馬が何頭も土煙をあげて
疾走するようなシーンは終盤までほとんど
なく、それゆえ最後の銃撃戦が重みを増す。

構成も少しひねってあって、まず老年の代
議士となったジェームズ・スチュアートが、
友人だったジョン・ウェインの葬儀に田舎
町へやって来る場面から始まる。地元の新
聞記者に問われるまま、若い頃にジョンと
協力して、街を暴力で支配していたならず
者のリバティ・バランスを討ち果たした話
をする。そこには射撃の名手のジョンや現
在の妻との出会い、そして自らが代議士に
なった理由、さらには当の地元の新聞社も
大いに関わっているのである。

劇中、準州から州への昇格を目指す庶民と、
準州のままでいてほしい大地主の対立が描
かれる。地主たちが金でリバティ・バラン
スを雇って反対派を脅迫するわけだが、州
に昇格すると何がマズいんでしょうね。時
代背景を知らないと分からない部分である。

                             5.3(水) BSプレミアム




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