『物情騒然。 人生は五十一から④
』
小林信彦 著 文春文庫
寝る前に小林さんのコラムを一つか二つ読んでから布団にもぐり
こむようになって久しいが、いまだに飽きがこない。目利きの確か
さと記憶力。どうもこの二つが魅力である。私は文章も好きだ。
端々まで神経が行き届いていて、確かな美意識に支えられた文章
だと思う。
『デミアン』
ヘルマン・ヘッセ 著 高橋健二 訳 新潮文庫
抽象的でさっぱり分からない部分も多いが、あまり立ち止まらずに読
み進めるようにした。読み終わったいま、物語全体を眺めてみると、
相当に奇妙な物語に思える。ベアトリーチェ? ピストーリウス? ア
プラクサス? エヴァ夫人? なんだかうまく消化できないままだ。胃
もたれしている気分。
実は高校生のとき、読書感想文の課題として読んで以来だが、そし
てその感想文に自分が何を書いたかは何ひとつとして思い出せない
のだが、どうせたいした事は書けなかったろう。いま書けと言われても
書ける気がしないというのに、いったい当時何を書いたんだろう。まあ
書くことのないテーマについて無理やり作文をひねり出す術も、当時
は会得していたのかな。
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