2012年10月2日火曜日

夏の読書(少ないです)


『リトル・シスター』

レイモンド・チャンドラー 著  村上春樹 訳    早川書房

フィリップ・マーロウものはやっぱりおもしろいなー。
春樹による翻訳も3冊目。
でも今回、読んでいていちばん楽しかった気がする。訳者あとがき
にもあるが、オーファメイ・クエストという小娘が秀逸で、読みながら
もマーロウとオーファメイが会話する場面が待ち遠しい。
人物どうしの会話、という面で春樹はやっぱそうとうチャンドラーの
影響を受けてますね。それを隠そうともしてないけど。

この本、だいぶ長いこと本棚で寝かせてしまったので、文庫になる
前に読まねばと思い、出張にわざわざ重いハードカバーを持参して
読んでいた。すると札幌で立ち寄った本屋で、ハヤカワ文庫の新刊
コーナーに本作の文庫が出ているのを発見してしまい、遅きに失し
たことを認識した次第。











『にっちもさっちも 人生は五十一から⑤

小林信彦 著    文春文庫

文春の「クロニクル・エッセイ」、本書は小泉内閣のころ。このころ
から小林さんの政治への嘆き、怒りが多くなる。だけど、獅子文六
をもっと読みましょうだとか、小林旭の歌声が最高だとか、大塚寧々
のフェロモンがどうだとかいう話もあいかわらずある。

最近の文春の連載では『ひみつのアッコちゃん』の綾瀬はるかを
「平成無責任娘」と命名する冴えっぷりを見せ、ますます孤高の存
在となりつつある。いつまでもお元気でいてほしい。


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