☆☆☆★★ 西川美和 2012年
闇の中で閃く白刃のような、鋭利な「細部」は健在。それを
堪能するだけでも入場料の元は取れる。ただ今回、いつも
と違うのは、時に大胆な「省略」をしている点だろう。つまり、
阿部サダヲが結婚をチラつかせて次々と女たちをダマす、
その"過程"が意図的に省かれている。それは時間的な制
約もあるだろうし、映画のリズムとしてその方がいいと判断
したのもあるだろう。
私はなんとなくそのせいで、映画の"絵空事"感がヘンに強
調されたような、薄っぺらくなったような気がして物足りなくも
思ったのだけれど、どうでしょう。
しかしシビれるシーンも多数。やはりいま映画作家の最高峰
にいるひとりだと確信した次第。
10.2(火) ヒューマントラストシネマ渋谷
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