2013年4月25日木曜日

舟を編む


☆☆☆★★             石井裕也          2013年

出版社の辞書部門。話には聞くが、赤字が約束されている
ような部門を社内に抱え続けるのは、ひとえに利益を追求
するだけが出版社の社会的役割ではないという、ある種の
"矜持"が支えているとか、いないとか。

辞書好きの高島俊男先生にもぜひ観てほしい映画であった。
少し波乱はあったものの、おおむね順調に新しい辞書が作
られました、という話である。のみならず、単なる活字オタク
だった松田龍平は超美人の奥さん(宮﨑あおい)までもらう
のだが、あおいさんは現実感の薄い「できすぎた妻」を好演。
まあしかし、ぴったりな役を用意してもらった感は強い。

『川の底からこんにちは』には驚嘆し、迷わずその年のベスト
ワンを謹呈したものの、『ハラがコレなんで』にはワーストを進
呈したいほどの落胆を覚えた石井監督。演出に徹した本作だ
が、やはり実力は相当あるんだと思う。凡作にもなり得た本作
を救っているのは演出力だと思った。

池脇千鶴が最近役の幅を広げて成功しているのに対して、あ
いかわらず宮﨑あおいは聖女のような奥さんの役で、既存の
イメージを一歩たりとも逸脱することがなく、その点ではまった
く進歩が無い。だけど、可愛かったなぁ…。
『きいろいゾウ』で可愛さギネス記録を更新したあおいさんだが、
早くも記録を塗り替えたといっていいだろう。その可愛さは天井
知らずや~。

                                        4.14(日) ワーナーマイカルシネマズ釧路


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