2020年7月14日火曜日

ペイン・アンド・グローリー


☆☆☆★★ ペドロ・アルモドバル 2020年

「書けなくなった」映画作家が主人公で、
アントニオ・バンデラスが演じる。頭痛を
筆頭として、現在も様々な痛み(Pain)を
抱える主人公だが、過去の恋愛に関する痛
み、主演俳優の演技に不満があったデビュ
ー作、そしてそのデビュー作で得た映画監
督としての栄光(Glory)と正面から向き
合うことで、映画作家としての再生を果た
していく。

アルモドバルは前からとても好きな監督で、
撮る画からにじみ出てくる「変態性」にか
けては右に出る者なし、と評価している。
本作は映画監督が主人公だから多かれ少な
かれ自伝的なのかもしれないが、それにし
ては主人公の変態性が控えめなような。ア
ントニオ・バンデラスは顔は毛むくじゃら
だが瞳がキレイで少年のようである。そし
てアルモドバル作品の女神、ペネロペ・ク
ルスも主人公の幼いときの母親役で出演。
ちょっと所帯じみたペネロペ・クルスもま
た良いじゃないですか。冒頭の、川辺で洗
濯の合間に女たちが歌い踊る場面が美しい。

                7.7(火) Bunkamuraル・シネマ



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