2021年7月25日日曜日

ザ・フライ

 
☆☆☆★  デヴィッド・クローネンバーグ 1986年

大学生のとき『裸のランチ』を観て以来
のクローネンバーグ。
実験中のアクシデントでハエと融合して
しまった科学者の物語。初めは体積の比
率が小さいので気付かないほどなのだが、
徐々にハエの特性が支配的になってゆき、
肉体はただれ、腐っていく。
ハエ率が高くなるにつれて身体能力が上
がって壁や天井を這うのはまだ分かるが、
精力絶倫になるというのはどうなんだろ
う。昆虫に性欲ってあるだろうか。
しかし壁を這うカットなどは、わざわざ
そのためのセットを作って撮ったらしい。

ヒロインがハエ科学者の子をみごもって、
おぞましい出産の悪夢を見るというトラ
ウマ必至のシーンがあるのだが、最近、
再放送を観ている岡田惠和脚本の『イグ
アナの娘』にも似たような描写があって
驚いた。もちろんおぞましさは地上波用
に薄められてはいたが。

                          6.27(日) 早稲田松竹




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