☆☆☆★★ 堀貴秀 2021年
世に「ヤバい映画」は数あるかもしれないが、
このストップモーション・アニメーション映
画ほど「映画づくり」への執念をこれでもか
と見せつけられる作品もないのではないか。
製作に7年かかったというが、出来栄えを見
ると7年でよくできたなと思う。
人工生命体が繁殖している地下世界の探検と
いうテーマはそれほど新奇ではないが、個々
のキャラクターの造形と緻密なセットの構築
に圧倒的な個性が光っている。「世界観」と
は、すっかり安易に言い古された言葉になっ
てしまったが、この映画を「独自の世界観」
と言わずに何をそういえるだろう。
不気味でグロテスクなディストピアものを、
7年も作り続けたら気が狂うんじゃないかと
心配だが、まだ3部作の1作目で、ストーリー
はもう最後までできていて出資があればいつ
でも作り始められるという意気込みを聞くと、
そのへんは平気なのだろう。げに世の中には
変わったひとがいるものだ。
6.23(水) シネクイント
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