2021年12月11日土曜日

【演劇】 ザ・ドクター

 
作・ロバート・アイク 翻訳・小田島恒志
演出・栗山民也

今まさに死を迎えようとしている14歳の少女。
そこに「少女の両親から傍についていてほし
いと頼まれた」というカトリックの神父が現
れるが、担当医のルース(大竹しのぶ)は面
会を許可しない。典礼を授けることを拒絶さ
れたことを問題視した神父は、インターネッ
トや報道機関に事件を発信し、それはやがて
大きな騒動になっていく…。

信仰と医学の問題だけでなく、騒動の拡大に
つれて病院内のパワーゲームも熱を持ち始め、
やがて人種やジェンダーも含んだとても複雑
な糸の絡み合いの様相を呈してくる。
いったいいま何を問われているのか、何がい
ちばんの問題だったのか、劇中でルースも常
に問われ続け、観客にもそれは問われ続ける。

大竹しのぶは常に冷静なエリート医師を好演。
セリフの量は膨大で、ほとんど舞台に出ずっ
ぱりであるが、息切れする様子もない。終演
後のカーテンコールでもニコニコしていた。
まわりの役者も盤石で、なかでもやはり出番
は少ないが益岡徹の存在感が際立つ。良い芝
居だった。

                          11.27(土) PARCO劇場




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