2020年8月24日月曜日

花子


☆☆☆★   佐藤真   2002年

京都府の南端、大山崎町に暮らす今村花子
は、夕食の残り物を素材にした「たべもの
アート」の作家である。といっても、劇中
で家族も語っているとおり、母親はそれを
「アート」だと確信しているが、父親には
それはただの「残飯」にしか見えない。私
にもどちらかというと残飯にしか見えない
が、なにごとも継続することで見えてくる
ものがあるのかもしれない。花子は毎日、
昼間は障碍者施設で絵の具を使って絵を描
き、夜は自分の部屋の布団の上で、寝る前
にたべものアートを創作する。ときどき素
材を食べながら。
なにより家族のインタビューが温かくて良
い。一時期、花子に意地悪をされて家を出
ることを決めた姉も、複雑な思いも抱きな
がらインタビューに応じている。

                   8.5(水) サンクス・シアター



0 件のコメント:

コメントを投稿