2020年8月7日金曜日

歓待


☆☆☆★   深田晃司   2010年

『ほとりの朔子』『淵に立つ』どちらもとて
も好きな作品だったのに、なかなか新作を追
いかけるまで至っていないのが申し訳ない深
田晃司。サンクス・シアターに過去作があっ
たので鑑賞。杉野希妃も出てるし。そういえ
ば杉野希妃、しばらく見ないと思っていたら、
オランダで大型タクシーに轢かれて大変だっ
たようだ。ちっとも知らなかった…お見舞い
申し上げます。

映画は下町で印刷工場を営む山内健司と杉野
希妃の、だいぶ年の差のある新婚の夫婦、こ
れだけでも不穏な空気が画面に立ち込めるの
だが、そこになぜか古舘寛治がずうずうしく
住み着くようになる。ひとの「うしろメタフ
ァー」(©みうらじゅん)につけ込むのがう
まい古館は、夫婦それぞれの弱味をにぎって
操り、妻だという外国人の若い女も連れてき
て、我がもの顔で工場を切り回しはじめる…。

『淵に立つ』の原型といっていいのかもしれ
ない。話の構造は同じである。不穏なのに笑
える、シリアスなのにどこまで真面目に観て
いいのか分からない、不思議な手触りの映画
だ。

                      7.24(金) サンクス・シアター



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