☆☆☆ 小津安二郎 1931年
蓮實重彥がしきりに小津のサイレント時代の
すばらしさを語るもんだから、ちょうどやっ
ていた早稲田松竹にて、小津の2本立て。
1本目は戦前のサイレント。サイレントといっ
ても音楽が付けてあるものしか観たことがな
かったが、これはほんとうに何も音がない無
音。劇場が100分もずっと静まりかえってい
るのが不思議な感じだった。蓮實氏のよくい
う「スクリーンと向き合う」とはこういうこ
とか。
上司にたてついて会社をクビになった男が、
職を求めて奔走するも恐慌のおり、望むよう
な職にはありつけない。最後は再起をかけて
昔の恩師が始めたカレー屋「カロリー軒」を
手伝うことになるという話で、愉快な話でな
いわりには、全体的な調子は明るい。それは
多分に芝居、そして演出のなせる技であろう。
まだ小さい長女を演じているのは当時6歳の
高峰秀子(画像いちばん左)。前歯がなくて
かわいい。
1.7(木) 早稲田松竹
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