2021年10月18日月曜日

眼下の敵

 
☆☆☆★  ディック・パウエル   1958年

第二次大戦下の南大西洋を舞台に、アメリカ
駆逐艦とドイツ潜水艦の知力を尽くした息詰
まる戦いを描く。アメリカ側の艦長ロバート・
ミッチャムは、民間船から徴用された雇われ
軍人ながら、海と船に関する知識は抜群。対
するドイツ側の艦長クルト・ユルゲンスは老
練の軍人。近年のヒトラーへの盲従に疑問を
持っている描写にはハッとさせられた。副長
もふくめてよく考えられた人物配置で、いつ
の間にか話に引き込まれる。
性能で勝る潜水艦だが、任務遂行のため針路
が限定され、動きを読まれてしまうため、防
戦一方に追い込まれる。最後はもちろんアメ
リカが勝つが、アメリカ人の好きそうなフェ
アプレー精神に溢れたエンディングは、後味
もいい。

                           9.23(木) BSプレミアム




0 件のコメント:

コメントを投稿