2021年10月4日月曜日

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

 
☆☆☆★ アミール・”クエストラブ”・トンプソン 2021年

ハーレム・カルチュラル・フェスティバルとい
う音楽フェスが、1969年のNYハーレムにて開
催された。黒人ミュージシャンが出演し、観客
のほとんどが黒人で占められたこのフェスは、
2週間後におこなわれたウッドストックとは対
照的に、徹底的に忘却され、記録したフィルム
も50年以上も地下室に眠っていたという。

このたび発掘されたフィルムをリマスターして、
編集し、関係者のインタビューも織り交ぜて当
時の熱狂に迫ろうというこの映画。冒頭から、
若々しいスティーヴィー・ワンダーのドラム演
奏にぶっ飛ばされる。ステイプル・シンガーズ
やグラディス・ナイト&ザ・ピップスなど、音
源は聴いていたが、映像で観るのは初めて。
しかしなんといっても、映画のハイライトはス
ライ&ザ・ファミリー・ストーンである。スラ
イ・ストーンが歌っておられる…。長年、彼ら
の音楽を愛聴しているが、スライ・ストーンが
動いている姿を見たのは初めてである。首のゴ
ツい金の鎖が王者の風格を醸し出す…。

繰り広げられる演奏が圧倒的なだけに、不満も
ある。もっとじっくり音を浴びさせてほしかっ
た。長い予告編をずっと見せられているような、
細切れの編集にフラストレーションが溜まる。
少なくとも私の好きな編集ではなかった。

                                 9.7(火) シネクイント




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