2021年10月8日金曜日

パットン大戦車軍団


☆☆☆★ フランクリン・J・シャフナー 1970年

第2次世界大戦のアフリカ戦線でナチス・ド
イツ軍を相手に闘ったアメリカの将軍パット
ンの激動の半生を描く大長篇。
実際に毀誉褒貶の多い男だったとのことだが、
劇中ではまさに「戦場でしか生きられない男」
として描かれる。古典を愛し、そこから戦略
を導き出すという一面もあるにはあるが、パ
ーソナリティは今ならドナルド・トランプを
想起させるといえば分かり易いだろうか。現
在ならPTSDであることが明らかな負傷兵を、
仮病の卑怯者よばわりして衆目のなか張り倒
したことで処分され、失脚する。しかし戦場
はパットンのような指導者を必要とし、彼は
ふたたび指揮権を与えられてめざましい戦果
をあげるが…。
本筋からは逸れるが、こういう人物をちゃん
と処分するという時点で、アメリカの軍隊は
しっかりしてるんだなーと思ってしまった。
太平洋戦争中に、病んでしまった部下に暴行
して処分された日本軍の将校というのは寡聞
にして知らない。きっといくらでもいただろ
うが。

アカデミー作品賞を含む7冠獲得というから
単なる戦争スペクタクル映画を超えた評価を
得たことは間違いない。しかしパットンを演
じたジョージ・C・スコットは主演男優賞を
辞退した。

                               9.9(木) BSプレミアム
 

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