2021年10月2日土曜日

モロッコ、彼女たちの朝


☆☆☆★★   マリヤム・トゥザニ   2021年

セリフも音楽も少ないが、画に引き込まれた。
ストイックなつくりなのにまったく退屈しな
い。

未婚の母になろうとしている妊娠中のサミア
と、戒律もあるだろうが、街なかで行き倒れ
になろうとしている彼女に冷たい視線を浴び
せるひとびと、そしてカサブランカの街。見
かねたシングルマザーのアブラは、行き場の
ないサミアを家に寝泊まりさせることにする。

"ADAM"という原題では客は呼べないだろう
が、このどうでもよさそうな邦題はどうした
もんか。しかし現に私は「モロッコ」という
単語に惹かれて観に行っているのである。だ
としても、モロッコに「いつか行ってみたい
なー」ぐらいの憧れを持っているひとは、こ
の観光名所どころかおよそ情緒的とはいいが
たい旧市街の薄暗いごみごみした通りしか出
て来ない映画に失望するだろう。

                   9.5(日) TOHOシネマズ シャンテ




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