2022年3月7日月曜日

最後の決闘裁判

 
☆☆☆★★  リドリー・スコット  2021年

155分の"DUNE"でお腹いっぱいになったあと
に、153分の映画が来るのは一種の試練だが、
あらかじめ分かっていたことである。2本とも
とても充実した内容で、退屈している暇はな
く、一度も眠気に襲われることはなかった。
観終わったらどっと疲れたが。

舞台は中世フランス。ある強姦事件をめぐる
裁判で、原告(女性)と被告(男性)の言い
分が異なっている。科学も発達していないの
で、警察が捜査するわけでもなく、どちらが
真実か分からないので、解決を(真実をご存
じのはずの)神にゆだね、決闘裁判、つまり
決闘して勝った方(相手を殺した方)が勝訴、
というある意味で明快な裁判である。うーん、
むちゃくちゃだし、できれば巻き込まれたく
ない。
当時は妻は「夫の所有物」であるので、強姦
はその所有物を「損壊」し、夫の名誉を傷つ
けるものであるとして、原告の夫(マット・
デイモン)が被告(アダム・ドライバー)と
決闘することになる。ちなみにベン・アフレ
ックも出演している。

3章立てになっており、「マット・デイモンか
ら見た真実」「アダム・ドライバーから見た
真実」「妻から見た真実」の3章から成る。
それぞれ事実関係が微妙に食い違っていて、
きっと『羅生門』も意識されているのだろう。

                                 2.17(木) 早稲田松竹




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