2021年8月22日日曜日

見知らぬ乗客


☆☆☆★  アルフレッド・ヒッチコック  1951年

もしあなたが、たまたま電車で隣り合わせた、
眼がイッちゃってる図々しい男に「交換殺人」
を持ち掛けられても、もちろんこの映画の主
人公のように、まともに取り合うわけはない
と思うが、では、その男が勝手に自分の方の
殺人の義務を果たしてしまったら…? しか
も男は電車でくすねたあなたのライターを証
拠として持っている。男は早くこちらも約束
を果たせと迫ってきて…。

まあ決して不出来とは思わなかったが、心か
ら楽しんだわけでもなく。どうも「ライター」
をめぐるクライマックスの追跡劇がいまひと
つ盛り上がらないような。でも参照している
映画サイトでは、ヒッチコックの傑作の1本
として最大級の賛辞にあふれていて驚く。
落ちたメガネに写る殺人、悪夢のように暴走
するメリーゴーランド、テニスコートで観客
がボールの行方に合わせて顔を左右にふる中、
ひとりこちらをじっと見つめる男など、印象
的なカットはたしかに多い。
ロバート・ウォーカーは悪役を活き活きと演
じている。交換殺人、こいつならやりかねん。

                            7.27(月) BSプレミアム



 

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