2011年4月4日月曜日

花を運ぶ妹

池澤夏樹 著  文春文庫

とにかく長いやつがいい、と注文したら、これを貸してくれた、
いつもの同期である。
バリ島を舞台にした小説を読むのは初めてだ。相変わらず
南国が好きだな、池澤さんは。帯広出身なのに。

絵描きの兄と、フランスで通訳などをして生計を立てている
妹。それぞれが語り手の章が交互に現れる、いわば「世界
の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」方式(長いな)。
そして絵描きの兄の章では、地の文で著者が主人公に「お
まえ」と呼びかける形式で、完全に『楽園への道』を先取りし
ている。それには驚いたものの、小説としての柄の大きさと、
ドライブ感に関しては、…まあ比べちゃいけない。まったく及
ばないなー、残念ながら。文章はうまいから許そう。

2 件のコメント:

  1. YAMADA洋次100選は
    楽しみだね

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  2. 楽しみ過ぎて「東京物語」
    リアルタイムで観てもうたわ。
    デジタル・リマスター、きれいだった!
    声が聞き取りやすいのもありがたい。
    半分ぐらい何言ってるかわからんからな、
    テレビで小津観ると。

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