2011年8月8日月曜日

インシテミル 7日間のデス・ゲーム


☆☆★       中田秀夫      2010年

いやー、中途半端。
高額時給のバイトに釣られて集まった男女10人を、ある施設
に閉じ込めて、ゲームのルールを説明し、あとは自由に殺し
あってもらう、というとこまではいい。ただ、ミステリー的な緻密
さ・おもしろさと、人が人を殺すほどに追い込まれるとはどうい
うことかという心理ホラー的要素を、どっちも上手に取り込もう
と画策して、結果的にどっちも鑑賞に堪える水準をはるかに下
回ってしまった、見事な失敗作である。
役者の格に違いがありすぎて、死ぬ順番がわかる、というのも
致命的な欠点。北大路欣也と片平なぎさがそんな早々と死ぬ
はずがない。

やっぱりホラーというのは、工夫の数だけおもしろくなる。
工夫の多寡がダイレクトに「怖さ」に反映されることが分かった
ので、黒沢清の『叫』を観て以来私はホラーが急に好きになっ
たのだった。でも、それからいろいろホラー観たけど、『叫』より
怖いのにはいまだにお目にかかれない。
ぜひ名画座でやってたら観に行ってください! 慣れてないひと
には相当怖いかと。ホラーは音の演出がとても大事なので、や
はり劇場で観ましょう。病院の薄暗い廊下をゆっくりと進むカメラ
に、ゴゴゴゴゴっていう地鳴りの音がカブせられただけで、けっこ
う怖いもんです。

は、すっかり違う話になってしまった。本作は、駄作!

                                                             7.31(日)  DVD


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