☆☆☆★★★ 岩井俊二 2006年
岩井俊二、やっぱり好きだー!
この映画、実に鮮やかな手際の大傑作だった。
わたしは岩井俊二のファンを自任してはばからない者であ
るが、この作品は観ていなかった。仮にも映画をなりわい
にしている者が、自らの一番好きな映画監督の人生と作品
を正面から取り上げて、果たしておもしろいものが撮れる
ものだろうか(いや、撮れない)、という反語的な疑いが、
何度もレンタルビデオ屋の棚に伸ばしかけた手を引っ込め
させた。それも、その監督は存命の(公開時)人物である。
本人に気は遣わなきゃならない上に、そもそも「単なる自
己満足」という批評を免れるために、どういう撮り方をす
ればいいのか、たとえ岩井俊二でも難しいんじゃないのか。
…いやあ、「杞憂」ってこのことだわ。
岩井俊二はすごかった。本作の手法、「リリィ・シュシュ」
の手法の流用と言って言えなくもないが、横書き・縦書き
スーパーの多用は上品で、嫌味がなくて、大先輩への敬意
に溢れていた。
8.25(木) BSプレミアム
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