2011年8月14日日曜日

街場の現代思想


内田樹 著      文春文庫

「あとがき」に「本書は私の書き物の中では(『寝ながら学べる
構造主義』と並んで)、大学入試への出題がたいへん多かった
本である」とあって驚く。そうか、いまや内田樹の文章で入試問
題が作られるのか、という驚きと、しかし、こんなに読み易い文
章で…? という素朴な疑問。阿部謹也や今福龍太ならともかく
(なつかしい。受験勉強以来いちども読んだことない)、これなら
「読解」も何も、読めば分かるじゃねーか、と思ってしまうのだが。
問題の作り方でどうとでもなるのかな。

本書も、つるつる読めておもしろうございました。文化資本、敬語、
給料、そして結婚という「終わりなき不快」について。著者いわく、
「結婚」とは「不快な他者」と共存する術を学ぶことである。それ以
外にない。これだけ聞くととんでもない極論みたいだが、読むと「う
ーむ…」と有効に反論できない。まあそもそも結婚、したことないし。
なんだか結婚したくなくなるような、そうでもないような感じにしてくれ
ます。
内田さん、おもしろい人だ。


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